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「す、すみませんっ……!!」
襟を掴まれて正気を取り戻したのか、突然敬語になる男。
やっぱりリーダーと手下……的な感じだなぁ。
僕は体制を立て直してゆっくり立ち上がる。
とりあえずここで喧嘩をされたら困る。なんたって僕が。
「あの……」
煙草の人に近づいて少し前屈みになる。
「ん……あぁ、お前か。悪かったな。急用だ、もう行っていいぞ」
「え。……そう、ですか。わかりました」
つい逃げられないものだと思っていたから、何も無いことに多少なりとも驚く。
何しろこの騒動に巻き込まれたら嫌だと思い、そのままそこを出ていく。
「あー、ちょっと待て」
3人に背を向ける形になった時、ふと呼び止められた。
「……?」
振り向くと、煙草の人は小さな紙を差し出していた。
「後で開け」
「……は、はぁ。わかりました」
意味もわからずそれを受け取り、シャツのボタンを閉めながらその場をあとにした。
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