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「え、ちょっとりっちゃん!」
スタスタと歩き始めた僕の後ろを、追いかけるように2人がついてきた。
扉が開くと、更にわかる。肌がビリビリする感覚だ。
靴を脱いで、真っ直ぐリビングに向かってドアを開ける。
スっと息を吸って、背を向けて座るその人に声をかけた。
「っ………、先生……」
"紡"と声をかけそうになって、ここがリビングであることを思い出す。
それに気づいていつもの様に涼しい顔で振り返った彼は、最後に会った時と変わることなくただのイケメンである。
「久しぶりだな」
リビングの大きなソファーから立ち上がって、僕に近づいてくる。
「……」
「随分静かになったんだな?」
「……元からです…」
「喋るじゃねーか」
ポンポンと僕の頭に手を置く。
いつもなら振り払うところなんだけど、それが心地よくて少しの間不貞腐れていた。
余韻に浸っていると、後ろから「誰……?あいつ」と秋ちゃんが呟く声が聞こえた。
「あ、えっと……」
「俺か?なんつーか、まあこいつの兄みたいなもんだ。春瀬 紡(ハルセ ツムグ)だ、よろしくな」
「りっちゃんの、お兄さん?」
「……み、みたいなもの!」
「そ、みたいなもん……つか、おい律」
「……何ですか」
突如として話題を変えてくる紡に少し驚くが、いつもの事だと何も言わずにいる。
「お前最後に見た時より異常に痩せてんだが?ほっせえんだよ。言い訳、聞こうか」
「…え、えぇ………………」
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