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「……君の、…律君の本当のお父さんのこと。教えて欲しい。時間をかけてゆっくりでもいいから」
聞こえてきたのはそんな言葉。
でも、その言葉は強いエコーがかかったみたいに、頭の中でガンガン揺れて。
「っ、……」
思わず息を飲んだ。
あぁ、なんだか気持ちが悪くて……今にも吐いてしまいそう。次にあんなことを思い出したら、僕は死ぬかもしれないなぁ…なんて。
息が苦しくて。マラソンをやった後より苦しい。
「はっ、ぁ……」
いつもやっていることなのに、息をするのが異様に難しくて。
「……!!律君、ごめん。俺が焦りすぎたね。今は休んでいい、苦しい思いをさせてごめん」
僕の異変に気づいた遼さんは最初は慌てていたけれど、その後は僕を眠りに誘うみたいに横にならせてくれて。
そのまま僕も意識を手放した。
苦しくて苦しくて意識が飛ぶか飛ばないかのその一瞬。
唇に温かいものが触れて、……体を何かに包まれたような気がした。
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