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吐血する時って全然前触れなくくるから怖い。
今まではなんとか乗り切ってきたけれど、最近多い気がする。悪化してきているんだと思う。
近々って言ったけれど、先生に連絡しようと携帯を取り出した。
そこには数十軒のメールと電話。
親友と幼馴染からがほとんど。
それを見ないように連絡先の画面に切り替える。
ピリリリッ
口うるさく言われるかもなぁ、と苦笑い。
「……忙しいのかな、後でかけ直そ」
しかし何回コールしても出ないから、今は辞めておこうと思った。
流石に部屋にこもりすぎだと思ったから、一度一階に降りようと思った。遼さんに、謝らなきゃ。
「……」
リビングをゆっくり開ける。
そっか、もうこんな時間だったんだなぁ……。
時刻は午後10時をまわっていた。
リビングの電気は消えていて、誰もいなかった。それぞれの部屋にいるんだと思い、遼さんの部屋へ向かう。
ノックをすると、すぐに「はい」と返事が帰ってきた。
「……失礼、します」
「あれ、律君!?大丈夫だった……?」
「あ、いえ、全然大丈夫です……!それよりすみませんでした…」
とりあえず入って、と言われて部屋の中に入る。
大きい部屋だなぁなんて思いながら歩いていると、スっと手が伸びてきた。遼さんの大きな手は僕の頭をゆっくり撫でた。
「……?」
突然のことに驚いていると、遼さんは優しい笑顔で
「さっきは俺が無理をさせたよ、ごめんね。まだ熱もあるみたいだし、今日は部屋に帰って…………っと、電話みたいだね」
話の途中に僕の携帯が鳴ってしまって驚く。
出ていいよと言ってくれたから電話に出ると、案の定あの人。
『お前なぁ……やっと連絡してきたと思ったら…。留守電も残せねえのか』
「うぅ、先生ひどー。僕だって忙しかったんですからね……」
電話に出てすぐに悪態をつく先生。
『相変わらず頼ってこねーのな。前回来たのいつだ?そんでいつの間に移住していつの間に宮本になったんだお前は』
「この前です……。先生怒ってる?」
『あーもう怒りに満ち溢れてるよ。お前は松木と村瀬にも何も言わないんだな。いいのか』
先生は何だかんだ言っていつも心配してくれる。
かかりつけ医として嫌そうにしながらも診てくれるし。
「…そのうち連絡するつもりだったんだけど、突然言ったら迷惑かけちゃうし」
『また迷惑の話かお前は……』
呆れている先生に苦笑いをしながら答えようとした時、遼さんが近寄ってきて。
なんだろう、と思っていたら
「もしかして、かかりつけ医さん?」
と声をかけてきた。
『ん、誰かといるか。まさかお前また……』
「あーー、!違うから!!宮本家の長男さんですから…」
『ふーん。ちょっと変われ、話しておきたいこともあるしな』
遼さんも、先生も、お互い話したかったみたいで。
僕は携帯を遼さんに渡して、二人の会話に聞き耳を立てていた。
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