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「……しないんですね、ちょっとビックリです」
上半身を起こしてシワにならないようシーツと服を直した。遼さんは「どういう事?」と眉間にシワを寄せていた。
「そういうことを言う人って、大抵その後襲ってくるんです。だから驚きました。紳士ですね、遼さんは」
ニコッと笑いながら言うと、さらに驚いたような顔をされた。
「まるでこういう事に慣れてるみたいな言い方だね、律君。しかも、いきなり人が変わったみたいだよ」
「……慣れていますから。人が変わったんじゃなくて…そういう事に敏感になっているだけですよ」
そう、もうこの体はとっくのとうに汚れていて。薄汚いものに塗れてる。
遼さんみたいな人は結局押し倒した後、無理矢理襲ってくるのに。
今日はそんなことも無くて驚いた。
「……あんまり、嬉しくない話だね。こんな行為に慣れて欲しくないけどな。特に律君みたいな子には無縁だと思ってたけど」
無縁?まさか。
むしろ僕としては人間が持つ三大欲求よりも、優先されるものだ。別に僕が快楽を求めていたんじゃない。
生活するためには必要な犠牲だったんだから仕方ない。僕があの人の代わりだったんだから仕方ないんだ。
「…怒らないでください。世の中にはああいう事をしなきゃ生きられない人もいるんですから」
万年。
生まれた時から金持ちの人には、多分わからない感覚なんだと思う。
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