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「……何で慣れてるのかな。…………こんな時でも笑顔は崩れないんだね」
さっきと変わらず低めの声で、同じ質問をしてくる遼さん。こんな時でも顔は笑っている僕。相当狂った空間かもしれない。
なぜ慣れているか、と言われたら…なんて答えるべきか。
「………………」
何度もした事があるから?
レイプもされた事があるし、自分から求めたこともあるから?答え方は色々だけど、あまり言いたくもない話。
「……関係、ありません」
だからこう言ったのだけれど、遼さんが僕を引き寄せた。肩をグッと揺らされて思わず驚く。
「関係なくないな。君の苗字は"宮本"になったんだ、俺達は家族だし…律君の事を心配している。それでも、俺達は関係ないのかい」
シーンとした空間。
この人は、またこう言った。
僕が、家族であると。
「わかりませんね」
静かな部屋に響く僕の声。
遼さんはそれを静かに聞いていた。
「家族仲なんて僕には全く理解できません。持ったことのないものを急に与えられて、使い方がわかる子供がいると思いますか。もし使えるのならその子供は天才ってやつなんでしょうけど。……僕にとっては家族なんて、初めて与えられた"物"です。何の理解もしないままここに連れてこられて、学校も変わって。初めて見る兄弟もこんなにいて………………はぁ、もう頭がパンクしそうですよ」
途中までは必死に伝えようとして、きっと遼さんを睨みつけていた。
でも最後はそれが馬鹿馬鹿しくなって、
笑っていた。
まるで自然現象のようにこぼれる笑みに、自分でも驚くけれど。チラッと遼さんの顔を見ると、彼は下を向いて何かを考え込んでいるようだった。
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