アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
嫉妬心
-
僕が入った学校は、いかにも金持ち学校。しかし、特待生枠で学力が一定基準を超えた人のみ、入学を許されている一般生徒もいると聞く。
この地に来て色々考えすぎた事が多くて、だから学校にいる時くらいは考えも投げ出していたい……ものだ。
でもそれも叶うことは無かった。
毎朝登校すると、僕の親衛隊だーっていう人達が集まってくる。上履きを出してくれたり……扇いでくれたりするんだけど、なんか僕がダメ人間になりそう。
「……お気持ちは嬉しいんですが、その…こういうのは慣れていなくて、ですね……………………」
みんなの前で言えば引いてくれるかな?と思ってこう言えば……
「な、……かわい………………っ、失礼致しました。お気になさらずに……!」
何にも可愛いって言えばいいもんじゃないんだぞっ!
僕は内心ぷんぷん丸だ。
激おこまでは行かなくても、ぷんぷん丸なのだ。
「今日も格闘中だな、律~……おっと、律"様"」
和慎君は今日も元気そうだ。朝一番で僕をからかってきて……
「和慎君…怒るよ僕…………」
最近年をとってきたせいか、沸点が低くなった気がする。
「あーごめんごめん。そういえば、大丈夫なのかよ」
「んー何が……?」
こんな話をしている間に、親衛隊の人は帰っていった。
なるほど、僕が友達と話してる時は帰ってくれるのか。ならなるべく和慎君といたいなぁ。
「そのー、家の事とかさっきのヤツの事とかさ」
「あぁ……まぁ、家の事は大丈夫。親衛隊さんには申し訳ないからやめてくださいって伝えたんだけど……」
「やめないか」
「やめないね」
「「はぁ~…………」」
同時に溜息をついちゃって。
「ふふっ」
二人して笑い合った。
一通り笑いあったあと、「和慎君と話してると親衛隊さん寄ってこないかもっ……!」っていう唯一の望みを伝えた。
すると和慎君は快く、
「じゃあ……学校にいる時はできるだけ一緒にいようか」
と紳士的対応を見せてくれた。
「……ありがとうっ!」
やたら感情込めたありがとうが口からダラダラ流れ出た。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
30 / 281