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教室に入って席に座ると、すぐに人が集まってきて。
僕は平穏に過ごしたいのに色々ありすぎて大変だ。
「大丈夫だったか~?」
「心配しましたっ、律君大丈夫なんですか?」
なんて、みんな声をかけてくれた。
なんで知ってるのか聞いてみたら、もう学校中に広まってるんだとか。
「わたくしの家で指紋鑑定致しましたが、既に拭き取られていました……」
「…あぁ、そうですか…………」
最近ではもうこんなことに驚かなくなってしまっている。
指紋鑑定してくれたこの女の子の父は、警視総監を務めている人らしい。なるほど、指紋鑑定なんて凄いな。
と、いうか……僕のことよりみんなの事だ。
「…………心配しないでください、その……むしろみんなに怪我がなくて良かったです…。破片飛んだみたいですけど、大丈夫でした……?」
「私達のことよりご自分の心配を……!」
でも僕の気持ちとは裏腹に、鼻血を出して倒れていく人達。
「ぅえっ!?大丈夫ですかっ!!うそ、みんな、え……なっ…………」
一人でアワアワしていると、秋ちゃんが「大丈夫だから、そのままにしとけば大丈夫だから~」と。
そう、なんだろうか。
「……うん………………?」
◇
昨日は階段から落とされ。今日は花瓶と植木鉢を落とされ。
明日は何があるんだろうか。
屋上から落とされたのは確かなのだ。
秋ちゃんや小ちゃんには言ってないけど、なんて言ったって僕は見たのだから。
やられている事に対しては、殺意しか感じられない。
殺意に満ち溢れている行為だと思う。花瓶落とした人(花瓶がおちてきたから)は僕のことをどう思っているんだろうか。やっぱり殺したい、かなぁ。
ふと頬につけられているテープをなぞっている時、思い出した事があった。でも…………だとしたらそれは、本当に変だ。
……たとえあの時。
ドアの人の事を逆光でしか見られなかったとしても。
花瓶の人の落とした手しか見られなかったとしても。
「あぁ、全然別人だし……」
気づいちゃった。
ドアの人は髪短かったし、足も速くて。あと男の子だった。
でも花瓶の子。"彼女"は髪が長く靡いていた。それと手が白くて、……あれは女の子の手だ。
別々の人が僕に同時に嫌がらせを……?
なんてついてないんだ……。
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