アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
2
-
考えるのに疲れて頬杖をついていると、ドアの方から結構大きなノック音が二回。教室にノックなんて変な事をする人も居るんだなぁと思ってそこを見ると、知っている人の姿があった。
「…天宝院、先輩…………」
ニッコリしつつ、目は笑ってない。
あー怒ってるよ………………。
周りも、生徒会長が居ることに驚いてざわざわしている。それもそうだろう。接点なさそうな奴らが知り合いなのだから。
「律、ちょっとおいで」
更に呼び捨て何かにするもんだから煩いくらいになってしまったじゃないか。
「……何でしょうか。連絡しなかった事を怒っていらっしゃる、とか?」
席を立ちながらそう言う。
「その通りかもしれないね?体は大丈夫なのかな」
ずっと座っていたせいか、立ち上がりながら立ちくらみに襲われるが、その少しの変化に気づいた先輩はスッと手を取ってくれた。
「……ありがとうございます…。大丈夫です、全部かすり傷ですし。むしろ僕が怪我したせいで親衛隊さんに花瓶の片付けをさせてしまいました…………」
「こら…、そんな時くらい自分のことを考えるべきだよ律。かすったとしても怪我は怪我」
話しながら教室を出ると、僕達がいなくなった教室は更に話が盛り上がっているようだった。「えっお知り合いなのかしら」「人脈が広いのね、素敵だわ……」「イケメンを捕まえる才能があるんだな」「俺も一緒に仲良くなりてええ」なんて自分勝手なことばっかり。僕達が知り合ったのはそんな楽しい話の中ではない。
教室を出て、暫く歩いて着いたのは……
◇
「え、生徒会室で話すんですか……?」
「他の生徒に聞かれないためにはここしか無いかな。警備も厳重だしね」
「そうですか……」
流石生徒会長。何やらカードを取り出してドアの横にスライドさせ、更に網膜認証的なことをして、もう一つ更に指紋認証。
やたら厳重だ。
重い扉が開くと、入ってと諭される。
「失礼します……」
中に入ると自然に扉は閉まった。
「あ、君が律君?ようこそ」
入ってすぐに初耳な声が飛び込んできた。チラッとそこを見ると、またイケメン……。
会計さん、かな。計算をしている途中らしい。
「はじめまして……」
人が良さそうな方だった。
「生徒会のメンバーは粗方知ってるから、律のことは承知してるよ。固くならないで気軽に座って」
「あ、はい...」
「俺は風紀委員長の佐倉 大翔(サクラ タイト)。よろしくね」
「宮本 律です、宜しくお願いします」
ペコッと頭を下げた。
あぁ、そういえばこの学校は生徒会と風紀委員が共に活動してると聞いたことがあった。
話を聞くと、副会長や初期などのメンバーはこの後すぐ来るはずだとか。
僕の話はそれかららしい。
「でも授業が……」
「安心してよ、生徒会権限使って今日は君の授業免除してあるよ。勝手な話だけど、君が狙われている以上生徒会や風紀委員としても何もしないわけには行かないんだ。これからもし自分の身が危険だと少しでも思ったら、これを使ってこの中に入ること」
スッと前に差し出されたそれは。
「え、生徒会室の……セキュリティカード…………?」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
42 / 281