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5 said天宝院 柊
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律は何を言ってもカードを受け取らず。
飽きることなく俺達に自分は安全だ、大丈夫だと伝え続けていた。
どうも……少し変な子だと思う。周りに対してはかなり敏感で常に気を配っているし、接し方も別に問題ではない。
そう、問題は別だ。
周りには敏感なのに、自分の事となると何もかも鈍感で無関心だ。
律が階段から落ちてきた後、自分の怪我なんて何も無かったかのように俺の怪我を心配した。
教室の話を情報収集担当の矢野から聞いたところ、自分が一番ひどい怪我だというのにみんなに破片が飛び散らなかったかと一番に聞いたとか。
更にはさっき話してたことだ。生徒会と風紀に迷惑をかける?かけられるからこその生徒会と風紀だ。
それが面倒でこんな仕事がやっていられるわけがない。
何が律をこんなにもおかしくしたのだろうか。
◇
常に笑っているという噂を聞き、人生幸せでパリピみたいな子なんだろうと……
初めてあった時はまだそう思っていた。
でも階段の時以来、大事無いかと律の姿を見に行くようになってから…………考えは変わった。
律はいつも、一人の時は笑わない。
むしろ悲しそうな顔をしたり、寂しそうに周りを見たり空を見たり。そして常に見せている笑顔も嘘なんじゃないかと思い始めた。さっきまであんなに辛そうな顔をしていた筈なのに、ほんの数秒で何故そこまで笑顔になるのかと。
聞いてみたくなった。
律自身に。
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