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「こと、ば……?」
俺の?
さっき、屋上でした会話を思い出す。
特別なこと、なにか話しただろうか。
別に普通の会話をしたと思うけれど……。
「そういうのは下手だとか。お前、男とのセックスしたことあるのかよ?」
ぱっと口を開いた彼が言ったこと。
それは男との経験があるのか、ということ。
あぁ、なんだ、そんなこと?
少し顔が綻んでしまう。
そして、あっさりと笑顔で答えたんだ。
「あるよ」
最近はしてないし、今後もしたくないくらい。
結構苦手だし。
「………………は?」
和慎君の口からは、呆気に取られたような間抜けな声が漏れていた。
驚いた?
気持ち悪い?
引いた?
いろんな意味で取ることの出来る。そんな声色だった。
「あるよ、何度も」
思い出してもう一度口に出す。
あぁ、そうだ一つ言い忘れた。これは言っておきたいかな。
「……でも僕はそっちの趣味じゃないよ。…別に恋愛対象は男だって認識したことないし、ちゃんとお付き合いしたこともないよ。…………だからそういうのじゃないってことだけはわかって欲しいかな」
多分、周りの一般人から見たら僕は本当に気味の悪い奴だ。
男とのセックスを隠そうともしなければ、嫌そうな顔はせず笑顔なのだから。
でも、もう和慎君も僕から離れて行くんだから、最後に誤解は解いておきたかったんだもの。
そこは許してよ。
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