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01.¥6000/1h
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レンタル彼氏(れんたる かれし)
非婚化・少子化・複雑多様化・経済悪化。
様々な要因は挙げられるが、要するに人々の「恋愛への抵抗が高まっている」ことが浮き彫りになっているのは間違いない。
「結婚はしたくない」「仕事を優先させたい」「でも、」
「たまにくる寂しさに、癒されたいとは思う」
こういった女性の声に応えるために、新しいサービスとして「レンタル彼氏」が作り出されたのである。
寂しい気持ちを紛らわす様に、時に錯覚してしまうくらいに親身に接してもらえる異性の存在。
同性と話す時間も、家族と居る時間とも違う柔らかな居心地を提供するサービス、それが「レンタル彼氏」
「…なんだこれ」
深夜のベッドの上、寝そべりながらなんとなくネットサーフィンをしていた中で見付けたのは、聞き慣れない「レンタル彼氏」と言う単語を強調した広告だった。
要は彼氏のいない女性の話し相手、らしい。
「ハー、今時は色んな仕事があるなァ…」
興味本位で開いた広告ページの先には、レンタル彼氏についての詳細があった。
サービス内容、料金形態、パートナーのルックスなど。
「……いっ……!?」
1時間、6000円だと?
大きな声に出しそうになったのを、今は深夜だと思い出せたことで抑えることが出来た。
たった話すだけ、悩み相談をするだけ、要望があれば軽いタッチがあるだけ、それだけで?
(どんだけリッチウーマンで溢れてるんだ日本は……)
内容と料金形態が上手く噛み合わないのは、決して男なら誰でも思うはず。だってこんなの、キャバクラやソープとさして変わらない料金だ。
身体的接触は、基本的禁止。
(ハグ、頭ポンポン、手繋ぎは可)
「なんだその基準!!」
線引きの仕方が曖昧過ぎる!と思わず突っ込まずにはいられないが、まあ関係のないことだし話のネタには十分読んだな…と画面を切ろうとした瞬間だった。
「……ん?」
男性の皆さまへ、と書かれたページが目に飛び込んできた。なんでこのサイトにそんな文字が?と思うが、似つかわしくないその言葉に興味は尽きず、そのまま誘われるように、気付けばクリックをしていた。
「…レンタル彼氏、か」
1時間6000円、交通費・交際費・その他エトセトラ自分持ち
馬鹿馬鹿しい、そう鼻で笑っていた5分前
まさか自分が、その5分後にレンタル彼氏なるものを申し込んでいるとは思うまい。
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