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03-1.新宿駅東南口 改札付近にて
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仕事が決まるのは、いつだって突然な事が多い。
予約が入りそうになると、会社から時間が可能か、もし難しければいつなら可能かを訪ねるメールが入ってくる。
授業がポツポツと入っているけれど、友達も少なくないので、休んだことで単位を落とす様なことはなかった。
何で俺が休みたいかも、バイトの話をしていれば皆んなが喜んで協力をしてくれる。否、このバイトの話はいいネタになる様で、このためにわざわざ取っていない授業に身代わりとして出席してくれる奴もいるほどだ。(流石にこれはアホだと思った)
今日予約を入れてくれたお客さんは、マサミさんというらしい。
予約が入ったのは一昨日で、受付の連絡は真夜中に入っていたそうだ。
大概真夜中にこんなものを見て、予約まで入れてしまうのは、夜中特有のセンチメンタルさに負けたり、自暴自棄になったというタイプが多い。
割と面倒な性格をしている人が多い、と思う。
(17の昼からか…。何でこんな日に限って授業入れてねーかな)
授業が入っていれば予約延期や、他の人の指名を促すことも可能であったが、今回はタイミングが合っていて、断る理由がなかった。
(…まあ、一回こっきりってこともあり得るだろうし)
17日、空いてますよ。とだけ会社にメールを返しておいた。
数日後受信ボックスには「12時に新宿駅の東南口改札付近待ち合わせで」と待ち合わせの詳細が書いたメールが入っていた。
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レンタル彼氏の心構えとして、待ち合わせ時間ピッタリには当然現れない。(稀に、遅刻してきて欲しいというお客の要望がある時は例外になるが)
相手より早めに来ておいて、相手がこっちを見つけてスタートするのが基本だ。
相手は予約を取る時にこちらの顔を見て選んでるわけで、顔を見ればピンと来るんだろうけど。
こちらは、名前と相手が教えてくれる範囲の情報でしか知らないから、声を掛けられるまで誰が今日の相手だなんかは分からない。
(今日って何時間コースなんだっけ。てか、何の目的だとか書いてたっけ)
男性と話し方を慣れておきたいとか、そんな感じだっけ。
ポケットに忍ばせておいたスマートフォンを手に取り、こそっとメールを開いて今日のことを確認しようとした。
その時、
「……あの、」
(ん?……まさか)
「イツキ、くん?ですよね」
会社から送られていたメールの中には、相手の名前と、備考欄にもう一つあった。
「はじめまして、今日はその、…よろしく」
マサミ、と名乗るには少々似付かない、正真正銘のオトコが目の前にいた。
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