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「う、あ、」
「可愛いね。晴くん、もっと声出していーよ」
後ろから、激しく攻め立てられる。
女、女、男、女、男。
晴は佐々木と同じ道を辿ろうと思った晴だったけれど、男を抱くつもりが逆に抱かれてしまっている。
「俺、どっちでもできるから」
バーで出会った彼は、そう言って晴にキスをした。男を抱く、という初めての経験に晴が戸惑っている間に、慣れた手つきで服を脱がされ、愛撫されて、すっかりふわふわな思考になった晴を彼はいとも簡単に食べてしまった。
「く、晴くんせまい、ねえわざとしめてる?」
「ん、ぁ、ちが、」
「きもちい?」
「きもち、おかしく、なりそ」
男は満足げに笑い、角度を変えて挿入し直す。
「うあ、」
「やらしいね、晴くん。誰に教わったの?」
「あ、ああ、」
気持ちよくて、頭が溶けてしまいそう。
佐々木とは違う手、佐々木とは違う声、佐々木とは違うモノ。相手が男だからか、一つ一つを、佐々木と比べてしまう。この人は佐々木ではない。彼が愛したあの人ではない。けれど気持ちいい。
佐々木もこんな気持ちで誰かを抱いたの?こんな風に俺と誰かを比べたの?誰かに俺を重ねたの?それとも俺とは違うなと思った?俺よりいいなと思うこともあった?
頭の中で、晴は佐々木に問いかけた。その答えは、返ってくるはずもない。
ねぇ佐々木、君はどうだったかわからないけれど、今の俺はすごく虚しい。
「う、」
「泣くほどきもちーの?」
そうじゃない、そうじゃないけれど、晴はこくこくと首を縦に振った。
ぱたぱたと、シーツに涙が落ちるのを、晴は見つめていた。頭の中は佐々木のことでいっぱいなのに、晴の身体は他の誰かでいっぱいで。
すきな人だから気持ちいんだとおもっていたのに、俺の身体はどうしようもない。
自己嫌悪はまた涙を生産し、それは晴の瞳から落ちてシーツを濡らした。
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