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「どうぞ」
「おじゃましまーす」
晴は、男を家に招きいれた。5回目。今日で全てが終わる。終わらせる。
終わってしまう。
5回のうち、晴が誰かを家に入れたのは今回が初めてだった。親しくもない相手を自分のテリトリーに入れるのは抵抗があったのだけれど、今回はそうしないと意味がなかった。
がちゃり、がちゃり
後ろ手に鍵を閉めて、男の後を追った。
「いつもチェーンまでかけてんの?用心深いな」
「ここ1階なので、一応」
「まぁお前綺麗な顔してるし、その方がいいんかもな」
カーテンを閉めた。ほんの少しだけ隙間を残して。
そして晴より頭一つ分背の高い男を見上げる。彼は佐々木より身長少しだけ高い。肩幅があって筋肉質で、でもやはり佐々木とは全然違うなあと思った。
「何、そんな上から下までジロジロ見られるとどうしたらいいかわかんねえんだけど」
「わ、ごめんなさい」
「お前俺みたいなのがタイプなんだって?アイツが言ってた。中田ご指名だよーって」
「ふふふ、ご指名って。」
「お前なんかえろいね、笑うと特に」
「え、んぅ」
脈絡もなくいきなり噛みつくようなキスをされて、遠慮なく入ってきた舌に翻弄される。
「や、ベッドに、」
「分かってるって」
キスをしながら中田は晴をベッドに座らせて、そっと押し倒す。少し乱暴な物言いのくせに、中田が晴に触れるその手は優しい。それは、佐々木を思い出させるような。
ちらりと、晴はテーブルに置いた携帯を見た。
たまっていく不在着信。着信拒否をしても、着信を知らせるメッセージが届くと知ったのは最近。
その量が今日になって尋常ではなくなって、あぁ無事にあれが彼のところに届いたんだなあとぼんやり思った。
そして中田に連絡をして、佐々木の着信拒否を解除して。
『もしもし…!晴、晴、晴…!』
「…」
『はる…ね、いまどこにいるの…』
「…家」
その一言だけ投げつけて、晴は電話を切った。
晴の計画もまた、完璧だった。
「あ、あ、あ、」
「お前本当、えっろいなあ」
「だって、んっ、きもち、」
「なぁ、アイツとどっちがいい?」
「そんな、わからな、ひゃあああ」
アイツ、と言うのは中田を紹介してくれた男のことだろう。
ぐちぐちと、イイところだけを指で刺激されながらでは、何も考えられないのは当然のことで。
「アイツより俺の方がうまいと思うんだけどな」
「な、んで、分か、」
「アイツと3人でシたことあるけどそんとき思った」
「ひゃぁ、」
「あ、お前もスる?3P」
中田は指を引き抜いた。横たわる晴にはカチャカチャとベルトを外す音だけが聞こえた。
「なぁ、生でイイ?」
「…ん、いいですよ」
これで、5回目の佐々木とおんなじだ。
中田は満足そうに笑って、晴に挿入した。
「ああああんっ」
「くっ、」
圧迫感に目がチカチカする。
ぎしぎし、ぎしぎし、という音。このベッドでこの音を聞くときは、いつだって佐々木と一緒だったのに。
しあわせな時間だったのに。
はらり、と晴の頬を涙が伝う。
それと同時に、ドアを叩く音がした。
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