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「誰か、きたか、」
「は、は、ほっといて、」
「たりめえだろ、今さら止まんねえ」
「やぁ、やだそこ、あぁぁっ」
カチャリ
鍵がまわる音がする。
「晴…?」
おそるおそるというように、ドアを開けた佐々木。
ドアを引いたけれど、ガチャリと途中で止まってしまう。チェーンがかかっていて、それ以上開かない。
「はる…」
佐々木は玄関を覗き込んで、異変に気付く。
明らかに晴の物ではないと分かる革靴。そして部屋の中から聞こえるくぐもった声。
これって。
「はる!!!!」
佐々木の叫ぶ声を聞いて、本当のカウントダウンは今から始まるのかもしれない、と晴は思った。
「は、なんか鍵あいたみてえ、だけど、」
「いーの、あの人、過去の人」
「はは、なんか興奮すんな、こういうのも」
中田はそう言ってにやりと笑い、晴の奥にこすりつけるように腰を打ち付けた。
「ぁ、んっ、ひぅ」
「いい声。元彼に聞こえてっかな」
「言わな、いで、」
「んなこと言って、しまってんじゃんお前」
中田はそう言って晴の唇をぺろりと舐めた。その舌を追うように、晴も舌を絡める。
「えろいし可愛いし最高、お前」
晴は目を閉じる。
『はる。』
まぶたの裏側で優しく笑う彼は、高校生のときの彼だった。20歳になった彼は、もうこんな風に笑わない。
「だすぞ、」
しばらくして、晴のしろい肌が、より白いもので汚れた。
「大丈夫か?」
「はい、」
「シャワー借りていい?あ、お前も一緒に入る?」
「俺まだ動けないんで、中田さん1人でどうぞ」
「そ?シャワー浴びたら帰るわーまた連絡してよ」
タオルは引き出しに入ったのを適当に使ってください、中田の背中にそう伝えた。
中田が風呂場に消えて、部屋に静寂が戻る。
晴はベッドから降りて、窓に近づいた。そして少しだけ開けておいたカーテンを全開に開く。
晴の影が窓の外に落ちて、ベランダでうずくまっていた佐々木が顔をあげた。
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