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不安【ヴィクトル・ニキフォロフ】
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いつだかのグランプリシリーズロシア大会で記者に勇利と戦ってみたくはないのかときかれて内心あせったのを覚えている。
あまり、考えたことがなかった。
これは半分そう。もう半分は…
考えたくなかった。
正直自分はもう30も近い。選手としては既に引退しててもおかしくないのだ。年々期待がたかまる俺の演技。リビングレジェンドとして生きなければいけない。ふとした瞬間に襲いかかる重圧をここ数年感じていた。
もう、自分が何をしてもきっと人は驚かない。みんなの驚く顔はすきだけどもう驚かせるという現象でさえもそれが当たり前になってしまっている。
煮詰まる考え。気がついたら何も考えられなくなっていた。
インスピレーションが浮かばない。
俺は死んでいた。
いつも通り試合には望んでいた。でも来シーズンの振り付けはどうも思うようにうかばなかった。
そんな時、勇利の動画をみたのだ。
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