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あなたを探して【勝生勇利】
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世界選手権エキシビション当日、僕は少しだけ昔のことを思い出していた。
僕が、グランプリファイナルで人生で初めてで最後の金をとったあの日から数日後のことを。
あの日は少しいつもより寒い朝で物音で起きたのを覚えている。
外を見ると玄関先にキャリーバックを何個もタクシーにつむサングラスをかけたヴィクトルの姿があった。
頭で理解するよりも先に体がうごいていた。
「ヴィ…ヴィクトル?どうしたの?」
「や、やぁおはよう勇利…。勇利こそどうしたんだいこんな朝早くに起きるなんて。今日は久々のオフだって伝えたよね?」
「ねぇ。ヴィクトル…はぐらかさないで!僕の質問に答えてよ‼」
最悪の事態であるということが頭の中をかけぬけて行く。
いやだ。いやだ。
「……」
「ねぇ!ヴィクトルってばっ!!!」
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