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あなたを探して【勝生勇利】
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他の皆はヴィクトルが帰るのを前日からしっていたという。
それならなぜ教えてくれなかったのか叫ぶようにたずねるとお決まりの回答がきた。
『黙っていてほしいとたのまれたの』
と。
「Hi…チェルスティーノ。勇利だけど…うん実は」
未だに信じれなかった。それでも四大陸選手権に向けて準備をしなきゃならなかった。
四大陸選手権にでたらもう1度ヴィクトルに会えるんだから。
ただひたすらに僕は練習した。
ブレイドが尋常じゃないスピードですり減るくらいに。
何も考えられなかった。
いや、あの幸せだったころのヴィクトルの幻影をひたすらにおいかけていた。
その努力は実らなかった。
四大陸選手権は惜しくも4位という結果に終わった。昔みたいに大幅に調子を崩すこと無くジャンプはノーミスだったのだが、僕にしてはPCSの点数がのびなかったのだ。
それに比べてヴィクトルと言えばグランプリシリーズをでてないのにいきなり四大陸選手権の代表になってあっさりと表彰台の頂上で記者たちに微笑んでいた。
本当にすごいよ。
ヴィクトルの演技みてたら無性に悔しくなった。このままじゃいけない。幻影じゃなくヴィクトルをおわなきゃ。捕まえて今度は逃がさない。
なにかが吹っ切れた瞬間だった。
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