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離れずに傍にいて【勝生勇利】
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『曲調が落ち着いた所でパートナーチェンジのようです。サーラ・クリスピーノ選手と踊っていた勝生選手ですが中々自分で次のパートナーを探せずに…お!ここで弾丸のようにヴィクトル・ニキフォロフ選手がやってきて勝生の腰に手をあてた!』
『さすがですね』
「えっ、ちょヴィクトル!?」
「なんだい?勇利」
久しく聴いていなかった美声が僕の耳元で鼓膜を震わせる。
胸が甘く鋭い痛みをうける。
「ヴィクトル近いさぁ…恥ずかしか…もっとはなれてさー」
「何故?ダンスを踊るなら密着しなきゃ」
そういって鼻と鼻がぶつかりそうなほどに近づいてくるヴィクトル。
絶対この距離はおかしい。しかも公式だよ。公衆の面前だよ。
え?…えぇぇぇ。
ほら、観客席から悲鳴が…。
いままで嫌なくらい避けられていたというのに、少しは自分の思いが彼に伝わったって期待をしてもいいのかな。
握られた手に力を込めると彼は微笑んだ。
神様。彼を僕が貰えるのなら死んだら地獄にでも落ちてもいい。
だからこの万物の瞳を捕らえて離さない彼を僕にください。
「勇利…曲がおわってしまう。あとでゆっくりはなそう。しっかりと。」
「うん。」
ヴィクトル、僕もいっぱい貴方に話したいことがあるんだ。
受け入れてくれるといいな。
名残惜しくも離された指。互いに寂しさをにじませながら全ての演目は終わりを告げた。
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【感想とか貰えたりするとキチガイ並に喜びます。たぶん完結までもう少しだと思います。最後までお付き合いよろしくお願いいたしますm(__)m
2016.12.19 結樹】
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