アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
運命の相手…
-
春兄に抱えられて、個室に向かう。
少し怒った様な、困った様な顔を浮かべながら春兄の足が足早に進む。
俺は無言で、落ちないように春兄の服を掴む。
「は、春兄…俺、ヒート…」
「知ってる…何で、何でだ」
「あの、人と…眼が」
春兄が驚きながらの足を止める。じっと俺の方を見つめている。俺が少ししてから首を傾げると、春兄はため息を着いてから歩き始める。
俺、何かした…??
個室に着くと、ゆっくりとベッドに下ろされる。春兄は扉を、カーテンを閉めて、俺の前に膝をついて座る。
「雪緒くん…君、運命の番を見つけたんだよ」
「運命…番…?」
初めて聞く単語に俺は首を傾げる。性別以外に、三種類の性があるのは知っていたけど…番?
「うん。まぁ、先に薬打とうか」
「うん…?」
チクリと腕に痛みが走る。
うぅ、注射はやっぱり嫌いだよぉ…。
少しだけ、体の火照りと体の疼きが収まる。
何、これ?
「抑制剤だよ…どうかな?」
「平気…で、さっきの話」
春兄は苦笑しながら、困った顔をした。
春兄の手元は微かに揺れてた。
「雪緒くん…君は学校行ってないから知らないんだけど、αとΩは番と呼ばれる関係になれるんだ」
「αと、Ω…番」
「そう。で、αとΩの番には運命的なものもあるんだ…」
「運命…」
「それが、雪緒くんと嵩原さんがそうだね…」
ごめんね、っと春兄が悲しそうに笑う。
春兄…俺の事?
春兄の手を取って両手で撫でる。
「春兄、ありがと…」
「…できる限り、守るから」
「嫌でも、番にしようと思わなかった?」
「うーん、思ったけど…雪緒くんが可愛そうだからさ」
「春兄…ごめんね、ありがと…」
優しそうに笑いながら、春兄が頭を優しく撫でてくれる。
小さく泣きながら、頷く。
なんて、運命って残酷何だろうね…。
春兄…ごめんね。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
9 / 30