アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
.
-
「ねぇ、仁は今幸せ?」
ボソッと囁くようにそう聞かれた。
幸せ?
そんな事ここ1年くらい考えなかった。
悠が居なくなってからはそんなのどうでも良かったから。
でも…
馨を拾ってから少し変わったかもしれない。
幸せか不幸せかって言われたら・・・
「幸せ・・・かもな?」
「そう。」
それだけ言うと話は終了したらしい。
俺たちは食事を済ませて店を出た。
飲んでない俺はほろ酔い気味の上野を家まで送る。
「じゃあまた明日ね。」
「あぁ。」
「仁!」
上野を下ろして車を出そうとした俺を上野が止める。
「仁、幸せになってね。」
それだけ言うと上野はさっさとマンションに入って行った。
俺はその華奢な背中を苦笑いで見送った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
8 / 179