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ハネムーン 11 (士郎side)
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「……言えよ。誰とヤッて、そんなことになった……?」
「は? そんなンいちいち覚えてねェよ……」
ってか、嫉妬か? と喉の奥で笑われた。
「……黙れ……っ」
上下を入れ替えて、乱暴に腰を揺らしてみても、
「……ン、イイぜ……」
容易に受け入れられてしまう。
まるで、あやす大人と駄々をこねる子供のようで、攻めている自分の方が遥かに余裕がなくて、再び突き上げてくる射精感に、舌打ちした。
中がうねる。
ローションを使っているわけでもないのに、しっとり濡れて、キュウキュウ熱く絡みついてくる。
克己と龍之介以外の身体を知っているわけではなかったが、これが普通でないことくらいは容易に察しがついた。
数多の男達が夢中になってきた身体。
大した経験値も持たない自分が満足させられるのか、焦りと悔しさばかりが澱のように募る。
なぜ、龍之介の初めては自分ではないのだろう?
もっと早くに出会いたかったと、どうにもならない想いばかりが胸を締めつける。
不意に、首の後ろに手をかけて、動きを止められた。
「……ンな苦しそうに、抱くンじゃねェよ」
慈愛に満ちた瞳が、そこにはあった。
「オレぁ確かに、腐るほどオトコを知ってる。どのオトコにも、それなりの愛情は感じてた。……それは否定しねェ」
胸の奥を冷たく鋭い何かでえぐられるようだ。
「……正直言やァ、ケツが疼くこともある。オトコを知ってる身体の、宿命みてェなモンだ」
ビクッと震えた。
欲しくて欲しくて、身悶え震えながら超える夜のつらさを、今ではもう自分も知ってしまった。
龍之介にも、そんな夜があるのだろうか。
怖さと切なさ、憂いと愛しさが渾然一体となって、熱いマグマのように駆け抜けていく。
「……けどよ、もう他のオトコじゃ足りねェんだ。……オマエがイイ。カラダ重ねるだけで全部満たされる気がすンのは、オマエだけだ」
ピッタリと身体を重ねたまま、龍之介がうっとりと目を閉じた。
ドクン、ドクン……。
いつもより早い鼓動が重なった。
鼻の奥がツンとして、想いが溢れた。
「……おまえが、好きだ……」
「ははっ、……知ってる」
オマエは惚れた相手じゃねェと抱けねェもんなァ、と龍之介が嬲るように笑う。
悔しくて腰を揺すれば、熟成された極上の酒のような甘い吐息が耳を打つ。
もう長いことずっと、この男に酔わされている。
冷めない夢を見ているようだ。
離れて過ごし、再会するたびに恐怖が襲う。
心が離れていないかと。
女々しくて、笑えるほどだ。
これほどまでに心を侵食されて、もはや他のどこにも行ける気がしない。
おまえしか……見えない。
噛みつくように落とした余裕のないキスは、ンな焦んな……と言わんばかりの舌の動きであやされ、その温度差に、ジリジリと心が焼ける。
「心配しなくても、夢中なのはお互いさまだ……」
うっとりと、龍之介が笑う。
「……ナカの動きで、わかンだろ? ほとんど……イキッ放しだ。ははっ、溶けちまいそうなほど……ン……イイぜ……?」
「……っ」
何て声を出すんだと、睨む。
全身を熱い血が駆け巡る。
もう、保たない……。
ドクドクと奥深く触れ合った部分を通して、命の源が流れ込んでいく。
一滴もこぼすまいとするかのように、中が収縮し、味わうように震えて、溶けた。
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