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ハネムーン 14 (士郎side)
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「……ほら、オマエも早いとこ、熱を冷ませ。それとも周りに見せつけてやるか?」
ニヤニヤと楽しげに嬲ってくる。
「……っ」
煽られ、追い詰められ、悔しさの中で目を閉じた。
何とか龍之介を視界から排除して、空手で培った呼吸法を繰り返す。
だが、龍之介の気配が消えてくれない。
もとより不完全燃焼の身体を抱えたまま、完全に熱を冷ますなど不可能だ。
「……どうした? ますますデッカくなってンじゃねェの、ソレ」
局部に龍之介の視線が突き刺さるのがわかる。
「……っ、見る……な……っ」
「見なくても、カンジてンなら同じだろ」
「……っ」
「……まァ、イイ。このまま連れてってやるよ。エレベーターの中で冷ませ」
抱き上げられ、慌てて目を見開き抵抗したが、本気の龍之介に敵うはずもなく、易々とエレベーターに乗せられてしまう。
「離せ……っ」
「……離してイイのかよ?」
「……っ」
このままビーチまで抱いて行くつもりかと、青くなる。
ロビーであれほど人目を集めた龍之介だ、男を抱いて海になど入れば、好奇の視線はどこまでも果てしなく追ってくるだろう。
その視線にさらされながら、抱かれる?
狂気の沙汰だ。
龍之介を突き飛ばし、エレベーターの壁にもたれ、崩れる身体を支えた。
みるみるうちに、エレベーターの階数表示が減っていく。
「……っ」
焦れば焦るほど、熱は引いてくれなくて、無情にもチン……と到着音が鳴り響いた。
血の気が引いた。
もういっそこのまま気を失ってしまいたい……。
そう思った時だった。
不意に視界がブラウン一色に染まった。
「……ほらよ、備えつけのタオルでも被っとけ」
タオルを頭からかけられたのだと気づき、戸惑いの中で顔を上げた。
「とりあえずはコレで、隠れンだろ」
大判のタオルは、肩からかけて前を摘めばギリギリ腰の昂りを隠してくれた。
よそ行きの顔をした龍之介が先にエレベーターから降りていく。
もつれる脚を進め、必死に後に続いた。
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