アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
それを人は愛という
-
俺様の仕事は潜入だった。
期待の新入り。齢(よわい)は10あたりだったと思う。
幼さをまるで感じさせない達観した態度。それに見合った技術。才能。
疎まれることもあったが、その能力は人間離れしているものであり、やはり任務の時などは最前線に置かれていた。
この日の仕事場はとある武将が治めている小国。小さな城がある小さな国。
その余裕から生まれた隙だった。
・・・そこから意識がない。
結果的に、こんな状態になっていることは確かである。
別に、何かを待っているわけではない。
誰かが助けてくれるなんて希望は持たない。
絶望もない。
退屈なだけ。
人よりも優れた治癒能力に目をつけた奴らが、俺様のことを死ぬ寸前まで傷つけて回復すればまた同じことを繰り返す。
拷問のつもりなのだろう。
辛くなんてないのに。
こんなこと散々訓練で行われたことだ。
痛みすら感じぬ体になったやつもいるくらいに。
だから俺様は嘲るのだ。
忍の鉄則。
それは、情報を一切流さないこと。
捕まったら?
自分の口を永遠に塞ぐだけだ。
それだけだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
14 / 226