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嘘つき
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「・・・。」
ここでもない、そこでもない。
俺は必死に探す。
だって、いつ死ぬかわからないんだから。
「・・・ァハハ。」
俺は広場の椅子に腰かけていた。
ひとしきり乾いた笑い声をあげると
「ハハ・・・。」
笑みも消える。
また駄目なんだ。
今回も満足できずに死んで。
今度は転生することも出来ずに。
「何してんだろ、俺。」
スゥッ。
俺は空気を吸い込む。
酸素を肺の奥まで届けて
最後の生命の働きを感じる。
ギッ。
空気を吸い込んだまま、俺は椅子に凭れ掛って(もたれかかって)天を仰ぐ。
「どうなされた。」
スハァ。
空気を吐き出しながら俺は逆さに涙を流した。
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