アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
たとえ俺がお前に必要とされなくなる日が来ても。
-
次の日、幸村と政宗はいつものように話していた。
正直、ほんの少しだけそこを気にしていた幸村はいつも以上に嬉しそうに笑っている。
「幸村ァ!今日は購買の焼きそばパン、どっちが先に買えるか勝負しようぜ。」
「望むところでござる!!」
この学校の焼きそばパンは美味しいことで有名である。
だから、毎日すぐに売り切れてしまう。
「逃げんなよ。」
「む!政宗殿こそ!!」
キンコンカンコン
午前の授業の終了を告げるチャイムとともに両者はガタタ!!と音を立てながら立ち上がり、そのまま廊下をダッシュする。
「おい!!廊下は走るな!!!」
そんな教師の声を背に聞きながら、政宗と幸村は廊下を走り抜ける。
勝ち負けとかそれ以上に、楽しいのだ。
この勝負がとても。
さて、この勝負の結果は
「てめえかよ~~~~!!」
「か、すが殿ぉ!!」
かすががパンを買ったところで焼きそばパンが売り切れ、勝負は引き分けとなった。
「な!!貴様ら、何の用だ!このパンは、謙信様のものだ!これを謙信様に差し上げれば・・・うふふふ。」
かすがはピンク色のオーラを放ちながら、去っていった。
「まーまー。こんなことでへたばっちゃって。だいじょぶ?おふたりさん。」
「佐助?!お主どこから・・・!」
「はあ、これだからアンタらは。あのさぁ、普通に考えてさ、こっちのほうが近いじゃん。」
そういいながら、佐助は呆れ顔で自分の後ろに伸びる廊下を親指で示した。
「「あ。」」
はぁ・・・。
佐助が大きな溜息を吐いた。
「ま、旦那。お弁当あるから、一緒に食べようか。」
「そうだな。・・・では政宗殿!またよろしくお頼み申す!!」
幸村は笑顔で政宗に向かって手を振ると、先に歩き出していた佐助を追って走り出し、直ぐに佐助の隣に並んで歩き出した。
「・・・。」
政宗はそんな二人の背を見つめながら、そこに無言で立っていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
119 / 226