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たとえ俺がお前に必要とされなくなる日が来ても。
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「・・・すけ・・・・ど・・・の」
「!?」
「旦那ッ!?」
「・・・さ、すけ・・・ま、さむ・・・ね・・・どの・・・」
喉の奥から絞り出されるようにして発された蚊の鳴くような声。
だけど聞き逃すことのない愛しい声。
二人がベッド際に駆け寄る。
「さすけ、まさ・・・むねどの・・・」
「ここにいるよ・・・!」
「幸村!」
佐助がナースコールを押しながら幸村に飛びつく。
「ああ、よかった・・・もう、会えないんじゃないかって思ったから・・・。」
「佐助・・・お主、いつの間に・・・そんなに涙もろくなったのだ。お館様に笑われるぞ。」
「あ、はは・・・。」
「幸村・・・話して平気なのか。」
「政宗殿にも・・・ご迷惑を、お掛け致しました。」
「いや、こうなったのは俺のせいだ。お前が謝ることじゃねえよ。」
「・・・そうでございますか。」
「なあ、幸村。俺、明日も来ていいか。」
「一々確認することでは御座いませぬ。それに、来てくださるのは、とても嬉しいことでござります。」
「ちょっと、抜け駆けはやめてよね。俺様も来るからね!!」
「分かっておるわ、馬鹿者。お主は・・・そういうやつだ。」
「・・・馬鹿、今、そんなこと言わないでよ・・・。」
「馬鹿者・・・」
「あ!?旦那!?」
スゥっと眠るように消えてゆく声と閉じる瞼(まぶた)。
「大丈夫だ、気を保てなくなっただけだ。」
「・・・うん。」
その時、パタパタと足音が向かってきた。
「どうしましたか・・・!」
「あ、さっき目を覚ましたんですけど・・・また、眠っちゃって。」
「そうですか。先生に伝えてきますね。」
「お願いします。」
政宗は、幸村の手をまた握りしめると
「またな。」
笑みを浮かべて、手を離した。
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