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たとえ俺がお前に必要とされなくなる日が来ても。
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「おい、幸村!!」
「どうなされた、政宗殿!!」
「おお、明日aquarium行こうぜ!!」
「あ・・・?」
「aquarium.・・・水族館だ。」
「水族館・・・。」
先日、慶次から(正確には、佐助から慶次に、それが政宗に聞かされたのだが)幸村の金魚の話を聞いて思い立ったらしい。
「水族館・・・でござるか。久しい名でござるな。」
「俺も長いこと行ってねえんだ。だから一緒にどうかと思って・・・。祭りには慶次と猿と行ったんだろ?じゃあ、これは二人で行こうぜ。」
「水族館・・・。夏には相応しい(ふさわしい)場所でござるな。」
「あ、体調が良かったらでいいんだ。な、明日。」
「分かり申した。覚えておきましょうぞ!」
「ああ、約束だぜ。you see?」
―翌日―
「政宗殿!!すごいでござるううう!!」
「そうだな・・・!」
二人は約束通り水族館に訪れていた。
順路通りに歩き、今は深海コーナーにいる。
薄暗いフロア。周囲はカップルで賑わっている。
休日の娯楽施設なんてこんなものだ。
目をキラキラと輝かせながら動き回る幸村。
放っておけばフラフラとどこかへ行ってしまいそうだ。
「wait 幸村。」
「?何でござろう。」
ぎゅ
「!?」
「こうしておけば、何処にも行かねえだろ。」
幸村の手を握り政宗が笑う。
「~ッ!」
幸村が真っ赤になるが、政宗が歩き出し、それにつられて幸村も歩き出す。
薄暗いここだから出来ること。
もう少しだけこのままでいさせてくれよな、と政宗は後ろで赤くなっている幸村をチラリと見ながら思った。
その後、イルカショーやアシカショーなど、水族館を堪能し二人は帰路についた。
病室に戻ると、佐助が待っていて
「ちょっと、竜の旦那。うちの旦那、振り回さないでよね。」
そう言って、政宗を一瞬睨むような仕草をしたが、フッと力を抜いて笑うと
「楽しかった?」
そう言った。
その後、病室には笑い声が響いたのであった。
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