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「晶透ー今日ひま?」
「ひまー、だけど疲れたから帰る」
「えー!やっとテスト終わったんだぜ」
「なんだよ晶透行かねーの?」
「わりー、僕寝たいんだわ。じゃーな」
倖也と晴麻の返事を聞く前に教室から出た。
カバンからイヤホンを取り出して使い古したウォークマンを起動させる。
耳につけてしまえばもう何も聞こえない。
聞こえてくるのは2、3年前に流行った曲。
1人で駅まで歩く。
いつも隣にいる2人はいない。
心細く感じながらも、僕はこの感じが好きだったりする。
急に僕は1人になりたくなる。
電車の中で色んな曲を聴きながら、その曲の主人公になったつもりの妄想。
大丈夫、誰も僕の頭の中は見れないから。
僕じゃない僕になるこの時間が痛いくらいに好きだと思う。
痛いやつなのかも。
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