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「よろしくです。星川君」
「あー、ヒメでいいよ。みんなそう呼んでるし」
「ひっ……ヒメ君よろしくです!」
「よろしくー、楓ちん」
「ちん…………」
「ヒメ、楓をあまりいじめるなよ」
「それ、お前が言う? 大丈夫だよ、楓ちん。俺ねゲイなんだけど、君はタイプじゃないから安心して。でもタイプじゃないって言っても、可愛いと思うよ」
雅姫との会話にどう返せばいいか分からず上手く言葉が浮かばなかった楓は、慌てながらここでもド天然を発揮した。
「ヒメ君の方が可愛いよ。可愛いっていうか……元気一杯な『おてんば娘』って感じだね!」
まさかの「おてんば娘」発言に輝が珍しく吹き出して笑ったのにも驚いたが、今日はじめて会った人間にとんでもないイメージをつけられ雅姫は固まってしまった。
「いやー…………楓ちん、君凄いね。初めて会った人にそんなこと言っちゃうなんて」
「あっ……ごめんなさい! その……あの……悪気があって言ったわけではっ! 可愛いなって……元気で明るいなって思ったからつい……」
「つい、おてんば娘が出てたの?」
「うっ……うん……。ごめんね……」
「はははっ! 気に入った! 俺、君のこと好きだ!」
「ヒメ、楓がどうしていいか分からないって顔してるぞ。あんまりいじめるな」
「だってこんな子そうそう居ないよ? 輝だってそう思うだろう? 楓ちん、これから輝が何か酷いこと言ってきたら、このおてんば娘の俺が助けてやるよ!」
「うっ……うん。よろしく! でも大丈夫、輝は酷いことは言わないよ。凄く優しい」
そのあと雅姫が返した最後の言葉はきっと誰も気にしないものだったかもしれないが、楓の心には何故か痛く響いてしまった。
ーー輝は誰にでも優しいんだよ。
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