アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
*
-
月、水、金と相変わらず輝はサークルで、前とは明らかに違う柔らかい表情を見せながら部員に料理を教えている。
ーーお前の無愛想フェイスはどこにいったんだよ……。
雅姫はため息をつき教卓の上で棒付きキャンディをガリガリと噛み砕いていると、ド天然ワンコの楓と目が合った。
「何? 飴ちゃんが欲しいのかな?」
「えっ? いや……違うよ。僕そんなに卑しそうに見えた?」
「うん、涎垂らしてるワンコに見えた」
「ヒメ君、酷いー!」
「はははっ! 今日もいじり甲斐があるねえ、楓ちんは」
教卓から下りて楓に近寄ると、小さな口の中に新しい棒付きキャンディを入れてあげた。
「美味しい? これを上手に舐めることができたら、フェラチオもうまくなるぜ」
「ごふっ!……フェッ……フェッ…………!」
顔を真っ赤にして飴を吐き出した姿を見て雅姫は、これくらいで動揺してしまう楓のピュアさに驚いた。これはますます面白くなってきたと思い、もう一度「そのての話」でもしてみるかと思った次の瞬間、ピュアでもド天然でもない楓が現れた。
「僕がさっきヒメ君のことを見ていたのは、キャンディが欲しかったからじゃないよ。ヒメ君がちょっと『悲しそうな顔』をしていたから、大丈夫かと思ったんだ……」
この小さなワンコが何を考えているのか全く読めない。しかもそのことが思い当たるだけに、エスパーかと思ってしまった。最初は輝の授業中とは違う表情を見て、何があったのかを考えていた。でもそのあと自分がいま抱えている、輝とは全く関係のない悩みを思い出し苦しくなっていた。顔には出していないつもりだったのに、楓はそれを見抜いたというのか……。
「俺が悲しい顔をするわけないでしょう。毎日ハッピーボーイなんだぜ!」
これはきっと偶然そう見えただけだ。お得意の笑顔をふりまき、雅姫は楓の肩に手を回した。
ーー輝め……結構大物を拾ってきたな……。これは気をつけないと……。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
36 / 533