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「それで、そのあと楓ちんはどうなったんだよ……」
ひととおり話し終えたあとしばらく沈黙が続き、勘の鋭い雅姫が輝の態度から楓を心配しはじめた。
「その場に残してきた……」
「お前……何やってんだよ……。勝手に怒鳴って、置いてきたのかよ! 今すぐ謝りに行ってこい。とりあえず土下座でもなんでもして謝れ! そのあとのことなんて、どうでもいいからまずは謝れ。そうじゃないとお前は絶対、後悔するぞ!」
今まで生きてきた中で、「後悔」と感じるようなことは一度もなかったと思う。それは自信があるからではない。人にも物にも深い関心をもったことがなかったせいで、後悔だけではなく満足さえも特に感じたことがなかった。ただ、今回の件は別だ。楓のことを好きだと気づき、輝の中で生まれてはじめて「後悔をしたくない」という感情が芽吹いた。
「ヒメ……いつから俺のこと分かってた?」
「内緒」
雅姫は口角を上げいたずらに微笑み、後悔しないようにと輝の背中を押した。
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