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ーー輝って、チュウうまいよね……。
とは思ったが、輝以外とはしたことがないため基準が分からない。でも恋愛経験豊富な輝は、絶対上手いはずだ。だからもっと教えて欲しい、もっとしてみたいと欲が溢れてまた顔が熱くなる。
ーー楓、あんなに顔赤くして何考えてるんだ……。駄目だ、可愛すぎる……。
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「このパンケーキ凄く美味しいね! バニラアイスとキャラメルソースとホイップクリームまでついていて最高!」
顔を赤くした可愛い姿を眺めすぎて、そのパンケーキを危なく真っ黒に焦がすところだったのを楓は知らない。
「夜はビーフカレーだよ」
「僕、輝の作るビーフカレー大好き! サークルで作った時もおかわりしたよね」
「楓は細い割に食べるんだよな。それなのに太らないの羨ましいよ」
「輝だって太っていないよ。僕も輝みたいな体つきになりたかったなあ」
こんなふうに互いのことを話したり昨日の出来事を雅姫や繭にどう話すかを決めたり、二人きりで話すことが少なかった二人は今日だけで相手のことをさらに知れた気がした。食事を終えたあとはまたゆっくりとお茶の時間を過ごして、少し落ち着いてきた時、輝は断られるのを覚悟の上で楓に今の気持ちを伝えた。
「今日……泊まっていかない?」
分かっている。キスをしたばかりなのに泊まれだなんて、下心が見えすぎだ。でもまだこれ以上は手を出さないと決めている。一気に迫っても楓が怖がるだけでいいことは何もない。
「着替え持ってきてないや……」
「俺の貸すよ」
「輝の全部大きいよ……」
「今だってそれ、大きいの着てる」
楓は小柄な自分の体型がコンプレックスで、少しでも大きく見えるようにと体に合っていないサイズの服を着ていることが多い。それを指摘したが、そこまで言うほど楓を繋ぎとめようとしている自分は必死すぎてかっこ悪いかもしれない。
「だけど……迷惑じゃない? いいの?」
「迷惑じゃないよ。楓ともっと一緒にいたいんだ。嫌なら無理にとは言わないけど……」
「嫌じゃないよ! 一緒にいたい……もっと……もっと輝と一緒にいたいよ………」
頬を染めてもじもじとしている楓にそんなことを言われてしまうと、この先自分がどこまで冷静でいられるか分からなくなった。手を出さないと決めたはずなのに、いとも簡単に意思が崩れることを輝はまだこの時分かっていなかった。
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