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先にシャワーを浴びに浴室へ入った楓は鏡に映った自分の姿に、これはまだ夢の中なのだろうかと何度も曇りを拭いては眺めてを繰り返した。今、自分の体についている、この花びらのような痕は……。
「これって……キスマークだよね? 都市伝説かと思ってたよ……」
聞いたことはあっても、自分には一生縁はないものだと思っていた。触れても痛くも痒くもないし、虫刺されでもない。明らかにこの痕をつけたのは、愛しいあの人だ。まるで「俺のものだ」と言わんばかりの無数の痕が嬉しくて、はしゃぎそうになってしまい口元を押さえた。
「どうしよう……嬉しい。キスマーク付けられて嬉しいって変かな? そういえば……ヒメ君もたまに付けて学校に来てるけど、いつも怒ってたなあ。僕は輝が付けてくれたと思うと嬉しくて、ずっと消えなきゃいいのにって思っちゃったよ……。やっぱり僕は変態だ……」
こうして改めて鏡に映る自分を見ると、キスマークのせいか少しだけいやらしく感じてしまう。これから自分の体はどうなっていくんだろう、二十年間好きになれなかったこの体に自信を持てる日がくるだろうか。昨日、輝が綺麗だと言って触れてくれたことで、前よりも少しだけこの体を好きになりはじめている自分がいた。
楓は鏡の中の自分を見つめて、キスマークの痕を数えるように首筋から胸元へ指先を滑らせていく。そしてそのまま下半身に触れると、少しだけ自身のものが膨らんでしまっていることに気づいた。
「こっ……これは、朝だからしょうがないよっ! 昨日のことを思い出しちゃったわけではないからねっ!」
今は誰も見ていないというのに言い訳をして、こんなところで高まってしまった体をすぐに冷ますため水を浴びて浴室を出た。
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