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☆身長差 キヨヒラ
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「ヒラー、あれ取って」
俺は棚の高めの位置にある物を指さした。
「いいよー」
背伸びしたら届くと思ってるな。
「…んー…っん!んー!あー!届かない!」
案の定届かないわけだけど。
「しょーがねぇなぁ、全く。取りに行きますよっと」
「もう!キヨが動くなら俺最初から動かなくて良かったじゃん!」
「いや、ヒラが届かないところが見たくてさw」
「はぁ!?…へー。なるほど、届かなくて奮闘してる俺を見て馬鹿にしてたってわけね。本当性格歪んでるわ!もー、キヨ嫌い!」
ヒラはそのままスタスタと行ってしまった。
あ、なぁなぁ。身長差って良くない?
いきなり何言ってんだこいつはって思うかもしれないけどいや、マジで。
ヒラと俺の身長差良くない?ほら、ヒラってさ平均より小柄じゃん?俺はと言えば平均よりちょっと上くらい?じゃん。2人が横に並ぶと、ほら、凄い良い身長差が出来るわけ。
毎日、毎日横に並ぶ度に「あー、こいつ可愛いな」って思ってんだよね。
見下ろすのが好きとかじゃないけど、なんかもう…仕草は可愛いし小さいし…っあー!好きだわー!
好きだけど口に出しては言えないシャイボーイのキヨです。今はそんなこと置いといて!
ヒラの言う通り奮闘してるところを見たかったのは本当だけど、馬鹿にするつもりはマジで微塵もない。
むしろ…むしろ愛でたくて仕方ない!背伸びして足プルプルしてるとことか超可愛くね?
分かるだろ?うんうん、分かるよなぁ!あんなに可愛いんだもんな!
とは言えこのまま怒らせたままだと何かダメな気がするからご機嫌取りに行きますかー。
「おーい、ヒラー」
「……何?」
うーん、ご立腹。俺の方をちらっとも見ない。パソコンの方ばっか見てる。可愛い。
「さっきのこと謝るからさ、機嫌直せよー」
「…ふん!俺は怒ってるんだから。ちょっとやそっとじゃ直らないし」
「そんなこと言うなって!ほら、俺は馬鹿にするつもりなくて、むしろ頭撫でたくなるって言うか…」
「それって…子供みたいって馬鹿にしてるんでしょ!?もう本当キヨ嫌い!」
「してない、してない!誤解だって!」
「あー、もう何も聞きたくなーい」
ヒラはヘッドホンをして音楽を聞き始めてしまった。
「なんでだよ…上手くいかないもんだな…」
「なぁ、キヨ」
肩をぽんと叩かれて後ろを振り向くとフジが立ってた。
「えっ!うわ!何、お前、居たんだ」
「やっぱり気付いてなかったか…完全2人の世界だったして。本当、ラブラブで見てられなかった」
「えっ、えっ、俺とヒラがら、ラブラブ?」
ヒラのこと好きって話してないのに何でこいつらラブラブって…
「もう見て見ぬふり出来ないくらい。言っとくけど、今日だけじゃなくていつもだから」
「はぁ…マジかー…ちなみにいつから気づいてた…?」
「半年くらい前」
「ドンピシャじゃん…」
俺がヒラ好きになった時くらいからじゃん。俺わかり易すぎんだろ…
「で、告白は?」
「出来るわけねぇじゃん!?出来たらとっくにしてるっての」
「俺が見る限り両思いっぽいけど?」
「へー、じゃあ違ったら責任取ってくれんの?」
「あー…まぁ、保証はしないけど…」
「フジって役立たず」
「キヨ酷い!!」
2人でぎゃあぎゃあ言い合ってるとヒラがすっとヘッドホンを外した。
「あのさぁ、2人ともうるさいんだけど。ちょっと静かにして」
ガチトーンで言うと迫力あるな…
「「はい…」」
そう言うとヒラはまたヘッドホンを付けた。
「フジのせいでヒラに余計嫌われた…」
「いやいや!元はと言えばキヨが告白せずにうじうじしてるからじゃん!?キヨらしくない」
「うっせ。俺は恋には奥手のシャイボーイだからいいんだよ」
「そう言えばキヨって誰が好きなんだっけ?」
「は?お前馬鹿かよ。ヒラだって」
「どれくらい好き?」
「え、なんか恥ずかしっ!ん、まぁ、めっちゃ好きだけど」
「今告白してみたら?」
「無理無理無理!!だから、そんなこと出来たらとっくにやってるって。第一ヘッドホンしてるじゃん」
「チャンスあると思うよ。だってヒラ顔真っ赤」
「え?」
ヒラの方を見ると確かに顔が真っ赤だ。
「ひ、ヒラ?大丈夫か?」
「…っ!キヨのバカぁ…」
「じゃあ後は2人でごゆっくりー」
フジはさっさとドアから出ていった。
ってなわけで、ヒラと2人残されたわけだけど…フジの言ってた意味もヒラが顔赤い理由も分かんねぇ…
「あの、さ。ヒラどうした?」
「ヘッドホン…」
「ヘッドホンが?」
「ヘッドホンの音量を低くしてて…2人の会話…丸聞こえ…」
「そうか……ん?丸聞こえ!?!?」
「丸聞こえ…」
え、うわ、あぁ、やらかした。丸聞こえってことは好きってことも…
あっ、だからフジのやつ1から聞いたのか!あいつ…後で回し蹴りする。
「迷惑だった…よな。ごめん」
「いや、大丈夫だよ…」
もう無理だ。この空間耐えられない!この沈黙もきっつい!
「じゃ、じゃあ俺行くから。本当ごめん…」
ドアノブに手をかけたその時
「っ…ま、待ってよ!俺の気持ちも聞かずに行くつもり?ちゃんと俺の話も聞いて…?」
俺の服の裾をキュッと持って、顔が赤いのを隠すためか下を向いてる。何この可愛い生きもの。
こんな可愛いやつに話を聞いてって言われたら聞かない訳にはいかないわ。
「分かった。ちゃんと話しようぜ」
「うん、えっと…話すね?」
俺は首を縦に振った。
「あの…ね、俺もねキヨのことが好き…/////」
「あぁ……うん!?ま、マジで!?」
「ま、マジで…/////そうじゃなかったら顔なんて赤くならないよ!俺から言わせないでよぉ…バカ…/////」
「ごめん、でも…やばい…嬉し過ぎるかも…/////」
俺はその場に座り込んでしまった。安心からか、嬉しさからか…将またその両方なのかは分からないけど。
「…じゃあ俺達両思い?」
ヒラも俺の目線に合わせるように屈む。首を傾けて聞くもんだから可愛くてしょうがない。
それにしても野暮なことを聞くもんだ。返事なんか一択に決まってるのに。
「当たり前だろ!俺もヒラのこと大好きだ!」
「…へへ/////俺もキヨのこと大好き!」
――――――――――――――――――――――――
「やーっと付き合ったかあの二人」
「フジのナイスアシストのおかげじゃん?」
「こーすけが助け舟出てこいって言わなかったら俺ほっといてたよ?実質こーすけのおかげじゃん」
「まあまあ、そこら辺は置いといて。後でお祝いしてやりますか。今は2人の世界みたいだし」
「そーだね。ていうか壁に耳つけて盗み聞きって泥棒みたいw」
実際見知らぬ人からみたらかなり変な光景だし
「それを言ったらおしまいだろw」
「じゃ、2人でお祝いの準備でもしといてやる?」
「しといてやるか」
「よしっ、買い出し行こー」
2人きりにしてやるために俺達はそのまま外に出た。
おめでとう、2人ともー。バカップルなのは見逃してやるか。
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