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ガタンゴトンという電車の音で目が醒める。
11月の半ば、朝方の冷え込みがきつくなってくる頃。
昨夜は暖房を付け忘れていたようで、下着しか身に付けていない身体には、布団をかけていたにも関わらず容赦ない冷えが住み着いていた。
隣で眠る男を起こさないようにとゆっくり起き上がり、備え付けのバスタオルを持って風呂場へと向かう。
結局、3時間も眠っていない。
熱めのシャワーでぼうっとする頭のもやを取り除くように、ゆっくりと丁寧に身体を洗うとようやく皮膚が息をしていると思える。
電車乗り換え無しで40分もあれば都心に行くことができ、駅前には古いラブホテルが二件向かいになって並んでいる、このベッドタウンが俺のお気に入りだ。
古いくせに無駄に高い料金システムとか、備え付けの冷蔵庫に入っている500円するコーラとか。
そういったものを見ていると、家に帰ってきた感じがするし、なんか特別な感じがして普段より美味しいと思う。
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