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「あれ、ケイくん早起きだね。」
ガコっという鈍い音と共に、古びてる割には磨き抜かれ綺麗にされている扉が開く。
暖かい水蒸気はそちらへと流れて行き、代わりに冷たい朝の空気が流れこんでくる。
「おはよう。ちょっと寒いから閉めてよ。」
座り込んで足の裏を洗っていたから、すごく間抜けな姿をしているのだが今更恥じらいという物などなにもない。先ほどまで隣でいびきをかいて眠っていた男が、扉の前で欠伸を噛み殺しながら立っている。
「ごめんごめん。俺も入りたいから湯船ためといて。あと、腹減ったからこのあと朝飯食いに行かない?」
「わかったから閉めて。寒い。」
ほいほい、という間の抜けた返事の途中で扉はゆっくりと閉まった。
彼の名前はヤマグチさん。それが本名なのかは判らない。彼も俺も、お互いの本当の名前なんて興味もないし、どうでもいい事だと思っている。
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