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「また、増えてるね」
「そう?自分じゃよくわからないけど。あ、ヤマグチさんそういうのに興奮する人なんだ?」
水滴の滴る黒髪。クスクス笑いながら細めた瞳の深いグリーン。透き通るほど白い肌。
腹部や腕に無数の痣。肩には薄い切り傷と火傷の痕。
内腿の痣の上のタバコで書いた十字。
痕になってずっと残るだろうものは、肩の火傷とタバコの痕ぐらいだ。
「ていうか昨日気づけよ。」
「ケイくん部屋暗くするし、俺酔っ払ってたし。気づかなかった。」
そう言うとベッドに腰掛けたヤマグチさんは、冷蔵庫から取り出した水を口にした。
「…水。俺も欲しい。」
それが、静かな始まりの合図だった。
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