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学校までの道のりをゆっくり歩く。
もうどうせ一限は間に合わないし、嫌いな科目だから。
川沿いの坂道。キラキラ光る水面に魚の影が映る。
学校では、真面目で頭が良いから先生に贔屓されているだけの嫌な奴。
分厚い眼鏡の下では内申の事しか考えてないと思われている。
身体が弱いという事にしてあるので、ある程度の遅刻は見逃してもらえる。今年、うちの中学から一番頭の良い高校に進学する事になっているから。
担任も学校も、たいして興味が無いのだろう。進学率、偏差値を上げたいだけだ。
そんなの周りは面白く無いに決まっている。
夜が明けてしまえば、ただの中学生。
自分の立ち位置は変えたくとも、クラス内ヒエラルキーに入れてすらもらえていないし、正直期待もしていない。
あいつらが夜の俺を知ったらどう思うんだろう。
そんな事を考えては、起こり得るはずの無い事を空想しながら坂を登りきった。
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