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バレンタイン編⑴
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和馬said
今日はバレンタイン。
真尋兄さんのために、昨夜こっそりチョコレートを作って今日渡そうと教室に来たのだけど……
「うわっ、何この人の数…」
「白石くんっ!チョコレート受け取って〜」
「私も私も!!」
え、もしかしてこれ全部真尋兄さん宛のチョコレートを渡す列?
「えっと、ありがとうございます。でも、受け取れなっ」
「そんなこと言わずにっ!お願いします!」
「白石くんのために作ったのっ!!」
「えっ、でも…」
………。
真尋兄さんが人気なのも、しつこく言われたら断れないことも、優しすぎて人を傷つけることを嫌うことも知ってる。
だけど…、世間的に俺らの関係を言えないし、真尋兄さんがずっと俺だけを好きでいてくれる保証もない。
女子の中心で苦笑いしている真尋兄さんを見ていると、心に黒い感情が渦巻く。
はぁ、こんな気持ちで真尋兄さんには会えない…。
俺はその場で踵を返して、立ち去った。
ー帰り道。
いつもは、校門前で真尋兄さんを待っているのだが、今は何故か真尋兄さんに会ってもどうしていいか分からなくて、先に帰ると置き手紙をして帰路につく。
はぁ、俺は何をやってるんだろうか……。
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