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焼き付いて、離れないんだ。
あのはにかんだような笑顔も、
俺を呼ぶ優しい声も、
快楽に歪む顔も、
いつだって焼き付いて、離れないんだ。
違う誰かは"誰か"以上の何物でもなく、
目を閉じれば俺の下で喘ぐ誰かは彼でしかなく、
気が付けば何度も愛を囁いて。
愛してる、
愛してる、
なあ、お前は?
俺のこと、愛してる?
どのくらい?
俺と同じくらい、愛してくれてる?
-あいつにぶつけられない問いを、言葉を、
代わりの誰かに紡いでは虚しくなって。
弱かった、だなんて言い訳でしかない。
愚かだった、だなんて今更の話。
わかっているのに、
ちゃんと理解しているはずなのに、
どうしてこんなに苦しいんだろう、
どうしてこんなに辛いんだろう、
どうしてこんなに、
会いたくて仕方がないんだろう。
終わってから気付いてしまった、
無くしてから理解してしまった、
どんなにこわくても、
逃げるべきではなかった、
彼の手を、離すべきではなかった、
愛を伝える相手は、
他でもない、愛するあいつだった。
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