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季節は、巡る。
あいつがいてもいなくても、
雨の季節はやってくる。
何度だって。
ピンポーン
部屋のチャイムが鳴る。
俺は動かない。
動けない。
雨音のする、この窓際から。
ピンポーン
ピンポーン
ピンポーンピンポーンピンポーン
雨音が、聞こえなくなる。
人工的な音が、俺の耳を侵す。
聞きたいはずの音が締め出され、
少しずつ、BGMのように、淡く、。
ドンドンドンドンドンドン
"開けてくれよー、なあー、いるんだろー?"
聞こえてきた声に舌打ちをし、
俺はのろのろと立ち上がって玄関へ向かった。
ガチャリ
ドアを開けるとそこにいたのは、
"いると思ったんだよなー"
そう言ってへらへらと笑う男。
タオルを渡すと、セットされた髪を全く気にせずガシガシと頭を拭いた。
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