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11話 sideR
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俺達は校門の所まで出た。
校庭に運動部の人が道具を片付けているのが見えた。
「あ、ねぇれとさん」
ふとキヨ君に話しかけられた。
なんや、食べた分の菓子代は払わんけど?
なんてくだらない事を考えていた後に顔を上げれば目の前には上から見下ろしてくるキヨ君と目が合った。
……なんやねん。
「……また来週も来てくれる?」
「……多分、行く」
特に考えもせず言葉を返した。
行きたくない訳でもないし、行かない理由も無かった。
だから即答した。
するとキヨ君は目を輝かせた。
「まじで!?」
そんなに喜ぶ事なのか…。
キヨ君はつわはす君の背中をばんばん、と叩いている。
そんなことしてると……あ。
「うっさい」
つわはす君はキヨ君に思いっきり肩パンした。
痛そうに肩をさすってるけど…まぁ、自業自得だしなぁ。
特に声をかけずに少し下がっていたカバンの持ち手を握り直した。
「ふざけてないで早く帰ろうよ、暗くなっちゃう」
ぴーぴーがちらちら、と時計を見ている。
……夜道が怖いのだろうか。
「おっけ、んじゃあ帰るか!」
足を踏み出す。
俺らは見事に家の方向がバラバラだった。
楽しかった、と今日を振り返ろうとすると突然大声が響いた。
「れーとさーんっ!」
ぴーぴーとつわはす君は足を止めて俺の方を見ていた。
俺を呼び止めたそいつは、にかっと大きく笑って言った。
「またあした!」
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