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好き
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ーとわ
俺、先生と『両想い』だよね?
俺のこと、好きって…
本当、伝えて良かった。
これからは堂々と先生にくっつけるし…ね?
「とわ、もう気分悪くないか?」
そう言えば。
俺、戻してたんだよな…
しかも先生が片付けてくれてて…
「先生、ありがとっ。もう大丈夫だから…
でも今日はもう帰るね」
そう言ってベッドから降りようとしたが、
貧血からなのか、またベッドに舞い戻ってしまった。
「おい、とわ?」
「あはっ…ごめんごめん。大丈夫だから」
今度は慎重にと、ゆっくり体を起こしていたら、先生に制された。
「まだ本調子じゃないんだろ?まだ休んどけよ。
あれなら、お兄さんに電話してもいいけど?」
声に耳を傾ければ、いやでも先生の心配する顔が目に入る。
「大丈夫だって。一人で帰れるし…
ってか兄貴仕事中だから」
迷惑はかけられないし。
「じゃあこれでも食べとけ」
先生はそう言って、何かを俺の口に近づけた。
それをしたのは先生なのに。
大好きな先生なのに…
俺が小さかった頃のお母さんがフラッシュバックして、
反射的に避けてしまった。
昔は絶対薬だったから…
「とわ?」
「ごめんなさい、先生」
先生の声は悲しみの色で染まっているように思えて、
顔を見られなかった。
「ごめんなさい…」
もう一度呟くと、先生は大きくため息をついて、
俺の頭を撫でた。
「お前が謝るなよ…な?何も悪いことなんかしてないんだからさ…
でも怖がらせちゃったな… 本当、ごめん…」
先生の方を見ると、悪びれたように、頬をかりかりと掻いていた。
「大丈夫。何か思い出しちゃってさ…本当ごめんね、先生」
さっきより明るく、ふざけた調子で言えば、
先生も笑ってくれて、その笑みの中、
「これ飴ちゃん。舐めとけって言いたかった」
ってまた頬を掻いて…
受け取った飴玉は、ピンク色に輝いていて、
口に含むと甘みが口いっぱいに広がった。
「甘い…」
そう呟けば、先生は「当たり前だろ?」って白い歯を見せてくれた。
「それ食べたら送るから」
「え?」
「俺が家まで送ってやる」
「いやいや…一人で帰れますぅ」
飴をほっぺたに含ませながら口を尖らせると、
先生は
「俺が送るって行ってんの。
彼氏の言うことはちゃんと聞きなさいよ… 可愛い俺の恋人さん?」
だって…
バッカじゃないの?
俺は可愛くなんかないし…
それでも「はいはい」って聞いてしまうのは、
これが先生の優しさだって知ってるから。
というか、先生が好きだから。
って先生電車通勤だったの?
結局一人でも変わらなくね?
そう先生に文句を言ったのは、家に着いたときだった。
ーーー
《おしらせ》出版決まりました!
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