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束縛
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ー悠斗
「…はる…にぃ、ゲホゲホっ…やっ…苦し…ぃ…やめて…はる兄…遥…さん」
僕は、初めてはる兄を恐怖の対象として見てしまった。
初めてはる兄を『怖い』と思ってしまった…
ーーー
<一週間前>
「はぁ…」
はる兄は、スマホを見つめて、大きくため息をついた。
「はる兄どうしたの?」
「ううん。何でも」
はる兄は僕の心配をよそに、
すぐに口角を上げて、僕の頭をなでた。
「兄貴、悠。行ってきます」
「はいはい…気をつけてね」
兄様が家を出れば、はる兄はますます暗い顔をする。
兄様は、最近『朝課題』というものが学校であるらしく、
結構早くに家を出る。
はる兄はそれがいやみたい…
それと、兄様の主治医の中桐(なかぎり)先生が1ヶ月も出張らしくて…
僕知ってるよ?
はる兄、中桐さんのこと『好き』なんでしょ?
どういう意味でかは分かんないけど…ね?
「悠くん、学校行く?」
「うん…行く」
本当は行きたくなんかないけど…
耳にあるピアスを握りしめれば、勇気が出た。
「じゃあ車に乗れ」
はる兄は、少し強い口調で僕を車に乗せた。
はぁ…
学校憂鬱だな…
そんなことを思いながらも、心なしか機嫌の悪そうなはる兄の顔色をうかがって、
僕は笑顔で学校に向かった。
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