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束縛
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先生が頼んだAコースとやらのメニューを覗き込むと、
“本日のAコース”
アミューズブーシュ
新玉葱のブランマンジェ ズワイガニとともに
あさりのスープ
天然真鯛のポワレ 桜エビのガレットを添えて
飛騨牛のステーキ マスタードソース 季節の野菜添え
デザート盛り合わせ
コーヒー
なんだこりゃ。
まず内容すら読み取れなかった。
ブランマンジェ?ポアレ?
今まで生きてきて、こんな言葉見たことすらないんだけど…
それに…
「遥、今すっごい変な顔してる」
「ふぇ?」
いきなり声をかけられて、少しびっくりしたけど、
そのままゆっくりと先生の顔を見ると、
先生は口元を押さえて、必死に笑いを抑えているようだった。
「先生?」
「…だってさ、遥の顔面白いんだもん」
先生は「もう無理」って吹き出した。
もう。
酷い…
怒るよ?俺…
そんなとき、ちょうど良くウエイトレスさんがトレイを持ってやってきた。
「こちら、アミューズブーシュでございます」
アミューズブーシュ?
そう思ったけど、恥ずかしいので知ってるふり。
生ハムにオリーブらしきものが乗っていて…
結局よくわからないけど、一言で言うなら、
オシャレ
かな?
まぁそれでしか表せないけど…
「美味しそうだろ?」
ウエイトレスさんが下がってすぐ、先生が口を開いた。
美味しそう。そう言いたいけど、オシャレ過ぎてよくわかんない…っていうのがやっぱり本音。
俺が答えられずにいると、先生はふわっと笑って、
「まぁわかんないよな。食べてみろって」
そう言いながら一口食べた。
先生の美味しそうな顔を見て、俺も恐る恐る口に含んだ。
「美味っ」
思わず口に出してしまった。
初めて食べる味だったけど、
かなり美味しかったから。
チラッと先生を見ると、やっぱり笑いをこらえているようで、少しいらっとしたけど、
何にも気づかないふりをして、
横目で先生を見ながら、「美味っ」と頬をほころばせた。
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