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束縛ー飴玉ー
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「…えっ?僕に?」
友情の印?
僕に、くれる…の?
「2人とも、食べ終わった? …っておい、お菓子禁止だろ?」
「まぁまぁ、先生。 『友情の印』なんで、ね?」
「はいはい。じゃあ先生は目を瞑っておきます」
先生がくるりと後ろを向くと、
蒼くんはじゃあ貰って。って僕の手に綺麗な飴玉を握らせる。
スッゴく綺麗だったはずなのに、
僕の手に乗った瞬間、急速に光を失っていく桃色。
「僕、貰えない… 僕は、だって…」
「俺、友達じゃないのか? 俺は悠斗の友達になれない?」
「違う! 違う、でも… 僕、友達? 友達になってくれるの?」
僕がこんなこと言うのは可笑しいかもしれない。
でも、蒼くんの整った顔を見上げると、彼は不思議そうに微笑んだ。
「なってくれる。じゃなくて、俺はなりたいの。ね?悠斗」
彼はそう言いながら僕の手に自分の手を重ね、飴玉を包み込んだ。
もう俺ら友達だよ。って。
彼の言葉に、彼の温もりに…
僕の胸はきゅーっと締め付けらた。
「ありがとう。蒼くん」
彼が手を離したあとも、
僕の手のひらの飴玉は、キラキラと美しく輝いていた。
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