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束縛ー飴玉ー
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キキーッ!!
「…っ危ないだろ!?この… って悠くん?」
「…はぁっはぁっ、 ごめんなさい。僕、 はぁっ…はぁっ」
「どうした? 悠、大丈夫か?」
「…っ! 遥さん!? …ごめんなさい、遥…さん、 ゴメンナサイ…」
なんで遥さんがここに居るのか。とか、
なんで僕が道路に飛び出したのか。とか、何にも考えれなくて、
僕はその場に座り込んだ。
頭の中は真っ白で。
「悠斗っ! ごめん、俺のせいで…」
「悠くん、帰ろう。 ね?」
遥さんは僕を包み込むように腕を回す。
えっと…この声誰だっけ?
遥さんともう一人…
誰だっけ?
「悠斗、落ち着いて。ね?大丈夫だから」
温かい、優しい声。
気付けば、遥さんの手を振り払って、
その声に向かってに走り出していた。
「おい、悠!?」
顔は見えないけど、
遥さん怒ってる。
そう分かっているのに、僕の足は止まらない。
「…っと、 悠斗?」
「蒼くん、蒼くん… ごめんなさい、蒼くん…」
「悠斗、なんで謝ってるの? 悪いのは俺だったろ?」
蒼くんは悪くない。
でも…
なんで僕、謝ってたんだっけ?
「待て待て、悠も蒼くん…かな? も、どっちが悪いとか言わないの。お兄ちゃんはなんも状況分かってないけどさ、結局どっちも悪くないんでしょ?」
「…遥さん、、」
「よし。じゃあ今日はもう帰ろうか。 ね?悠」
遥さんの顔を見上げると笑っていたけど、
驚くほど冷たい笑みだった。
僕はこの笑顔が苦手。
身体が思うように動かなくて、
頭がガンガンとうるさい。
「…帰る。 ごめん、蒼くん」
「うん。バイバイ、また明日ね」
「…うん。また明日」
遥さんに手を引かれて、
僕は半ば無理やり車に乗せられた。
手の中で桃色の飴玉だけが不釣り合いにキラキラと光っていた。
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