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束縛ー2ー
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ー遥
「…ごめん、な、さい… 遥さん。 ごめんなさい」
「悠、俺は怒ってないから」
俺が口を開けば、助手席で身体を縮こませている悠の肩が、
大袈裟なほど震える。
「…ごめんなさい」
「だから、悠… 俺は怒ってないってば…」
俺は前を向いたまま呟く。
でもそんなの嘘。
嘘。
怒ってないよ。
なんて簡単に割り切れるほど、
俺は優しい人間じゃなかった。
悠は俺を選ばなかった。
俺の手を振り払った。
俺から逃げて…
そして、
校舎から走ってきたあいつは、俺の悠に触れた。
俺の悠を奪った。
その事実が俺のはらわたを煮えくり返させる。
いや、違う…
悠から求めた?
悠がそう願った?
悠があいつにすがった?
『友達』
なんだよそれ。
俺は全部を犠牲にしてお前ら“弟”を守ってきたっていうのに…
それでも悠は俺の手を振り払うのか?
他人の手を取るのか?
そんなの絶対許さない。
何があっても、
悠は俺のもの。
昔からずっと、
悠は俺の宝物だから。
な?悠。
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